頭部外傷

頭部外傷のイメージ写真

頭部打撲にて、様々な病態を呈します。

  • 脳振盪(軽度の嘔気から昏睡までさまざまですが、元に戻ります)
  • 頭蓋骨骨折(骨折自体は治療の必要はありません)
  • 急性硬膜外血腫(脳を包む硬膜の外側の血腫です。緊急手術を要すること多いです。)
  • 急性硬膜下血腫(硬膜の内側の血腫です。脳挫傷を伴い重症であることが多いです。)
  • 脳挫傷(脳そのものの損傷です。場所によっては大きな後遺症の原因になります)
  • 外傷性くも膜下出血(外傷によるくも膜下出血で、それ自体は治療を要することは少ないです)
  • ヘルメット装着や、高所作業での注意にて、頭部外傷のかなりの部分が防げます。

慢性硬膜下血腫

  • 治療可能な認知症の一つです。
  • 外傷の一種で頻度は高いです。
  • 高齢者が軽度の頭部打撲ののち、数週間から数か月かけてゆっくりと硬膜の下に血腫を形成します。
  • 認知症や歩行障害で判明することが多いです。
  • 進行すると、半身の麻痺などを生じます、放置すれば意識障害に至ります。
  • 局所麻酔の簡単な手術で根治できますので、疑われるときは、MRIなどで早期に診断することが重要です。

正常圧水頭症

  • 治療可能な認知症の一つです。
  • 加齢に伴い、脳背髄液の循環吸収に障害を生じ、脳室と呼ばれる脳内の空間が拡大していくことがあります。
  • 認知症、歩行障害、失禁などを生じます。
  • 加齢に伴う脳の萎縮との鑑別が重要ですが、MRIや、タップテスト(脳脊髄液の一部を排出し症状の改善の有無を見る)にて鑑別可能です。
  • 正常圧水頭症であれば、簡単な手術にて改善が見込めます。