脊椎・脊髄疾患
手足のしびれを生じる疾患として非常に多いです。顔のしびれを伴えば脳疾患を疑い、そうでなければこちらを疑います。
変形性頚椎症
- 頸椎、椎間板は加齢性変化を必ず生じます。
- この加齢性変化の程度は個人差が非常に大きいです。
- 骨や椎間板が、脊髄から出てきた腕に向かう神経を圧迫してしびれをきたすものが神経根症です。根治するには手術が必要ですが、重症化する疾患ではなく、また、手術後に時間が経ってから二次的な障害をきたすことがあるので、まずは内服や休息で改善を図ります。
- 脊髄そのものが圧迫されたものを頚髄症といいます。程度によっては、進行して、あるいは、転倒などで四肢の麻痺に至ることがあり、早めの手術の対象になります。手術は比較的安全で、3時間程度で終了し、合併症も少ないです。脳神経外科または整形外科に紹介します。
腰部脊柱管狭窄症
- 腰部には脊髄はありません。脚に向かう細い神経の束(馬尾)があります。
- これが、変形した骨や椎間板で圧迫されると、坐骨神経痛や、間歇性跛行(長い距離を歩けない)を生じます。
- まずは内服や休息などで様子を見ますが、生活への支障が多きい場合は手術を行います。脳神経外科や整形外科に紹介します。
椎間板ヘルニア
- 椎間板が飛び出て、神経を圧迫することで痛みを生じるものです。
- 若年でも生じます。
- 椎間板ヘルニアは休養(臥床)で良くなることが多いので、まずはそれを試します。反復性のヘルニアや、大きなヘルニアで改善ないときは手術を行います。脳神経外科や整形外科に紹介します。
脊髄疾患
- 頻度は低いながら、脊髄腫瘍、血管障害、炎症、先天奇形などさまざまなものがあります。
- MRIで鑑別できます。