三叉神経痛
片側の顔面に軽度の刺激に伴い鋭い痛みが走ります。虫歯と勘違いして歯科を最初に受診することも多いです。
- 原因の多くは、三叉神経が脳から出てくるところで、動脈硬化で蛇行した血管に圧迫されることで生じます。
- 血管による圧迫の場合は、著効する薬剤があるので、まずはこれを内服します。改善の無いときは、古くから確立された脳神経外科手術(神経血管減圧術)で根治可能です。
- まれに、腫瘍による圧迫があります。この場合は、放置すると、他の症状に進展するので、手術摘出を第一に考えます。
顔面けいれん
片側の顔面(目の周り、口の周り)の筋肉がけいれんします。
- 原因の多くは、顔面神経が脳から出てくるところで、動脈硬化で蛇行した血管に圧迫されることで生じます。
- 内服薬で効果の期待できるものがありますが、それだけですぐに治ることは少ないです。
- 危険性の少ない治療として、ボツリヌス毒素(ボトックス)を3ヶ月に1回程度顔面の筋肉に注射する方法があります。
- あまり程度の強いものは、脳神経外科手術の適応になります。古くから確立された手術です(神経血管減圧術)。
- まれに、腫瘍による圧迫があります。この場合は、放置すると、他の症状に進展するので、手術摘出を第一に考えます。
特発性顔面神経麻痺(ベル麻痺)
- 脳から出る顔面神経の障害で、頻度も高いです。
- 片側の顔面の筋肉が麻痺し、顔面が左右非対称になります(顔が曲がって見えなす)。口も使いづらいので、食べ物が口からこぼれて気がつくこともあります。
- 顔面の麻痺の形態で脳梗塞などとの鑑別は可能ですが、念の為MRIで確認します。
- 多くは、単純ヘルペスウイルス1型(小児期にからの不顕性感染)の再活性化などに付随して生じます。
- 抗ウイルス薬、ステロイド、ビタミン剤などで治療します。
- 重症例では、後遺症を残すことがあります。